WORKS #001:~プロ写真家やプロデザイナーでもない私に…何ができるのか?

ご予算や必要性に応じて、外部の専門プロフェッショナルの方を招聘して協業することも可能ですが、
この事例では、撮影から画像の加工修正、動画制作、プロモーションサイトの制作まで、一貫した作業を全て一人で行っています。

結局のところ、TVのCMを作るわけではないので、不動産業界という「広告制作の専門家ではない不動産の営業社員(つまりデザインやマーケティングの素人)が募集資料を作るのが当たり前」
という特殊な業界において、実際に営業経験も募集広告制作の経験もある私が、業界標準よりもクオリティをあげて、マーケティングの視点からも「見せ方」を考えたプロモーションを行う、
というために必要なレベル=「私が自分でやれるレベル、クオリティでも十分に業界の競合物件よりも高い広告効果を得られる、という不動産業界での実戦経験をもとにしたレベル」を
実現できればいい場合は、特段、高額な料金をかけて外注するより、私が一人でやる方が費用対効果が大きい訳です。

“Logran御徒町”の事例

1.はじめに

不動産の賃貸募集広告にかけられる費用を考慮し、必要にして十分なレベルはどこかを考えてリーシングプロモーションのサポートを行わせて頂きました。

写真家やデザイナーが本職ではありませんが、募集広告を自社制作する慣行のある不動産業界の一般的なレベルに比較すれば、高いクオリティを出せる前提でお受けしました。

不動産開発営業を担当していた中で、こうした募集広告やWEBコンテンツの内容にこだわってきた理由は、顧客にアピールすべき「広告」という顧客視点の出口から考えることが、不動産開発においても何が物件のバリューをアップさせるのかに通ずるからです。

デザインや画像コンテンツは、撮影やデザインの専門スキルの高いプロの方にお願いすれば、より多様でハイクオリティなものが制作できますが、不動産業界の募集広告は、例えば、仲介の成功報酬が貰えるかどうかわからない時点では外注広告制作費用をかけづらい、という特殊な事情があり、なかなかそこまでやれないケースが多いのも実情です。

しかし、数億円規模の一棟ビル等の不動産は、売買であれば一声で千万円単位で価格が変わりますから、その「売り方」次第で大きく結果が違う、ということを考えれば物件の魅力を的確に伝えることはとても重要なことです。

 

2.受託経緯

こうした中で、今回は、オフィスフロアのリノベーションとリーシング元付けを受託された管理会社様から、物件の魅力、リノベーションの内容をきちんと伝えられる募集広告を作りたいとのご要望でお手伝いさせて頂きました。

こちらの管理会社様はこうした不動産業界の中にあっても「B to C」における「募集広告」や自社サイトの物件ビジュアル等のクオリティも重視されており、分譲マンションのような外注広告費はかけられないまでも、一定のご予算を頂けるとのことでお手伝いさせて頂けた次第です。

大規模な物件開発等では、必要に応じて外部の提携先とコラボすることも可能ですが、今回は、ビルの複数フロアの賃貸募集という規模に応じたご予算の関係もあり、一部素材等のご提供を受けつつ、私個人で対応した事例です。

但し、基本的には発注者様からのご要望、ご指示に基づいて資料を作成しますので、その管理会社様にリーシングに対する的確なノウハウがあって、私の考えともある程度の方向性の軸があっていないと、効果的な資料作りをお手伝いすることは難しくなります。

その点、今回の管理会社様からは、ビルオーナー様のご要望も踏まえて、的確なご要望、ご指示を頂けました。そういう意味では、この事例の広告ディレクションは、ビルオーナー様、管理会社様、との3者共同作業によるものと言えます。

3.制作内容

管理会社様がセットアップオフィスとしてのリノベーションをビルオーナー様から受託して実施したフロアの完成に合わせて、撮影から写真、画像加工修正、テナント募集資料の制作まで、管理会社様(ビルオーナー様)のご意向を汲みつつ何度かの修正を行っています。

最終的な募集資料は、一部、予め制作されていた完成予想CGや、フロア図、地図データ等の素材のご提供を頂くことで、内覧会までの限られた期間内、ご予算範囲内で、納品対応させて頂きました。

 

 

(1)  業務内容:賃貸用店舗オフィスビルのリーシング(空室のテナント募集)資料作成支援

(2) クライアント:物件の管理会社様より受託

(3) 具体的な制作物

①物件名をもとにしたブランドイメージの提案とデザイン制作

②物件外観内観の撮影・写真修正

③テナント募集資料のデザイン作成

④専用プロモーションサイトの制作(動画も含む)

 

この物件にご興味ある方はこちら(管理会社様WEBサイト)

空室ご案内の詳細と募集資料の全ページがご覧いただけます。(完成予想CG、フロア図、地図は管理会社様よりのご提供。)

 

4.制作メモ

(1)ビル名を印象付けるためのデザインご提案

「Logran御徒町」というビル名について、「Logran」の意味をビルオーナー様に「飛翔・飛躍」という意味でよいかを確認し、

その意味を資料内に掲載するとともに、「飛翔」をイメージさせる鳥のグラフィックをご提案しました。

内覧会等でこの資料をみたテナント、仲介業者の方に、ビル名を深く印象付けて覚えていただく、ということが狙いです。

 

 

ビル名とビル名のフォント書体は、予めオーナー様側にて決定済みであったが、資料作成の業務を受託するに際して、

「ビルのブランディング」を意識したビル名の説明を挿入した資料デザインをご提案し、採用して頂きました。

 

 

ビル名の書体についても、ビルオーナー様が決定済みのビルの館銘板の書体に合わせて、同一の書体を使って、

募集資料全体のデザインの中にビル名の書体がマッチするように留意しました。

 

(2)デザインの配色

物件内装や募集元の管理会社様のデザイン配色イメージに合わせたいとのご希望に基づいて、ブラックとゴールドの配色でデザインしました。

 

(3)スカイツリービュー

10階の眺望、特にスカイツリービューを目立たせたいとのご要望に基づき、窓からの景色でもスカイツリーが映えるように、HDR撮影、加工修正を行いました。

オフィスフロアですが、ここまで眺望が抜けていてスカイツリービューが清々しく見える窓側にワーキングシートコーナーを設置されているのですから、ここを魅力的にアピールするのはとても大事かと思い、ご要望に応えられるような撮影を心掛けました。

募集広告で合成写真は使っていいの、という疑問があるかもですが、そもそも、人間の目で見える室内からの眺望って、「白飛び」なんかしていませんよね。

実際に目で見えるイメージとしては、HDR合成写真の方が正しい訳です。

 

 

(4)リーシング資料のディレクションサポート

ビルオーナー様、管理会社様のご要望や物件の強み、魅力をわかりやすく伝えることができるようにアピールすべき事項や写真のセレクト等による資料作成を行いました。

1枚のマイソクと違って、複数ページで展開できるので、物件写真以外のビジュアルコンテンツも利用しました。ビルオーナー様からのご要望で追加したこのページでは、そのご希望の意図をいかに効果的に伝えられるかを管理会社様とご相談し、特にセットアップオフィスのメリットやターゲット企業をビジュアルで強調できるように、フリー素材の写真をセレクトしてメリットの説明書きと併用することで対応しました。

 

以下は最終完成Verの募集資料の一部を抜粋したものです。

下記ページには管理会社様からご提供頂いたCG画像やフロア図、地図は含まない、全てこちらで制作ご提供したコンテンツで構成したページのみを抜粋して掲載しています。

 

 

 

 

(5)仲介業者様へご提供する写真

元付の管理会社様が、客付けして頂ける仲介会社様に一定水準以上のクオリティのビルの物件写真を積極的に提供する、というのは実はとても大事です。

貸主や元付仲介会社から、使用を許可された写真を提供してもらえるのは、実は仲介各社も、自社で写真撮影する手間が省けて嬉しいのです。また、これによって、物件写真のネット上のクオリティを貸主側である程度コントロールできます。

そういうわけで、管理会社様から他の仲介会社様に写真を提供したいとのことで、そのためにご提供する写真もセレクトしました。物件写真としての見栄えはもちろんですが、リーシングアピールを考えたセレクトを行っています。

物件写真がどのような使われ方をされるかの限定が難しいため、注意書き等無しでも不動産広告募集用として使用可能な加工修正に止めるといった点にも配慮しています。